歴史、TVとか信用してはいけない気がする今日この頃。

今日TVでやってたのが『吉良上野介は実は良い人?』ってやつで。
確かに吉良上野介尾張ではかなり善政を敷いていたそうです。
(というより、圧制を敷くとお家取り潰しなので必然的に善政を敷かざるを得ないのですが)
そこまではいいのですが、その後の展開がもう笑いが止まらないほどの『陰謀論』。
バラエティーとしてはいいのかもしれませんけど、内容があまりにもあまりです。
その中でも一番納得がいかないのが『生類憐みの令』。
確かに、生類を大事にしようという法令ではありましたが、あれの主な名目は、

・嬰児、幼児、ならびに青少年の保護。
・当時問題であった野犬の保護。

この二つです。
特に江戸初期には水子供養という概念がなく、口減らしと称して親が子を殺すのがごく当たり前の時代だったそうで。
(一般的な子殺しの方法が、子供の首に板を乗せて、その上に飛び乗るという残酷なもの)
綱吉没後も、犬の保護政策は取り下げられましたが、他の青少年保護法案はそのまま残っております。

では、何故こうも貶められたのか?

答えは、当時の庶民の楽しみの一つに『犬喰い』があった事。
野犬保護に伴い食犬も禁じられたため、江戸庶民は不満だったそうです。
(おそらく中には『そんなにだいじなんなら』と犬をかごに乗せて走る厭味くらいやったことでしょう)
蚊を潰しただけでお家取り潰しとか、切腹とかは当時の人が囃し立てた噂でしょう。
(そもそも、お家取り潰しをそんな事でやっていては反乱が起きるので将軍がやろうとしても家臣がとめます。江戸将軍にそこまでの強権はありません)

吉良上野介を善人だと主張するのなら、綱吉の件も取り上げてほしいものです。
おまけのそれを利用して陰謀論とかしないでほしいなあ……。